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演 題 | 「トポロジカル物質相と格子フェルミオン」 |
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日 時 | 2013年02月26日(火) 11:00 より 12:00 まで |
講演者 | 木村 太郎(理化学研究所橋本数理物理学研究室 日本学術振興会PD) |
場 所 | 分子研 研究棟302号室 |
概 要 | 物質の「相」は通常,巨視的な物理量(熱力学量)によって特徴付けることが出来ますが,近年,電子の波動関数のトポロジーによって特徴付けられる「トポロジカル相」と呼ばれる特異な物質相が注目を集めています.そのような状態の例として,2次元強磁場中で発現する量子ホール状態や,最近実験的にも確認されたトポロジカル絶縁体などがあり,さらにはトポロジカル超伝導体と呼ばれる状態が理論的に提案されています.これらの状態は上述のように「熱力学量では区別出来ない」のですが,一方でその大きな特徴として「試料境界に「端状態」と呼ばれるゼロエネルギー束縛状態が現れる」ことが挙げられます.この端状態は電子波動関数のトポロジー的性質によって保護されているので,不純物散乱などに対して大きな安定性を持ち,量子コンピュータや新たな電子デバイスへの応用可能性も期待されています.本講演ではトポロジカル相を特徴付ける波動関数の性質と,格子上の電子(フェルミオン)の特性との関係を中心に議論します. |
お問合せ先 | 鹿野 豊 |