分子科学研究所

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理論計算領域オープンセミナー

演 題 「高温高圧環境下における共有結合性液体の分子動力学シミュレーション」
日 時 2013年03月01日(金) 16:00 より 17:30 まで
講演者 大村 訓史(京都大学理学研究科不規則系物理学研究室 日本学術振興会 PD)
場 所

分子研 研究棟302号室

概 要

高圧下における液体中の原子拡散については数々の興味深い現象が報告されて
いる。
通常、圧力をかけると液体の粘性は増加し、原子は拡散しにくくなる。しかし、
一部の液体、特に共有結合性の強い酸化物液体は加圧に伴って粘性が減少する
ことが知られている。さらにもう一つの高圧下の興味深い現象として、半導体-
金属転移がある。液体Seなどの液体半導体は、圧力増加によって共有結合が失われ、金属化する。しかしながら、そのメカニズムの詳細、及び金属化した後の状態に関する研究はあまり行われてこなかった。
そこで我々は典型的な共有結合性液体である酸化物液体(液体B2O3や液体SiO2)、および液体半導体(液体Se)に対し、密度汎関数法に基づく第一原理分子動力学シミュレーションを行い、酸化物液体の拡散機構、及び液体半導体の金属化の過程を詳しく調べた。講演では、酸化物液体の動的性質の特異な圧力依存性を微視的な拡散機構の圧力変化から説明する。さらに金属化に関しては、opulation解析を用い、原子間の結合性を評価することにより、原子間の結合性が液体中の構造に及ぼす影響について説明する。

お問合せ先

鹿野 豊