分子科学研究所

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第848回分子研コロキウム

演 題 「生体分子システムの階層性:化学反応と運動」
日 時 2013年07月19日(金) 16:00
講演者 高田彰二 教授 (京都大学大学院理学研究科生物科学専攻)
場 所

分子科学研究所 実験棟3階 303号室

概 要

生命活動を担うためにデザインされた分子が、物理化学法則に従いながら、複雑な生命機能をいかに実現していくのか、それを理解することは分子科学における大きな挑戦です。生体分子システムのもつ顕著な特徴は、その階層性と階層間の共役です。本講演では、その階層性と階層間の共役について、Åスケールの化学反応の自由エネルギーを利用してμmスケールの運動を実現する生体分子モーター、キネシン、を例にとって紹介します。
キネシンは、ATPを加水分解する酵素であり、加水分解の際に解放される自由エネルギーを利用して、抗力に逆らって微小管の上を"歩く"分子モーターです。さまざまな分子モーターの中でも、構造解析、1分子観測、生化学、計算機シミュレーションなどによって徹底的に研究され、その分子機構の理解がもっとも進んでいるものの一つです。
講演ではキネシンについて、ATP加水分解反応機構の量子化学計算、異なるヌクレオチド状態の複合体中間状態の計算構造解析、"歩く"過程の分子シミュレーション、および歩行運動の数理モデル解析を通じて、その階層性と階層間の共役について考察していきます。
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その他

http://theory.biophys.kyoto-u.ac.jp/

お問合せ先

古谷祐詞、山本浩史(2013年度分子研コロキウム委員)