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研究会・セミナー
演 題 | 「チャネル機能の再構成と動的イメージ」 |
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日 時 | 2014年01月17日(金) 16:00 |
講演者 | 老木成稔 教授(福井大学医学部・分子生理) |
場 所 | 分子科学研究所 研究棟2階 201号室 |
概 要 |
イオンチャネルはニューロンや心臓のような興奮性細胞だけでなくあらゆる細胞に発現して、情報伝達、とくに電気的な信号処理を行う。チャネルの分子機能は細胞膜上にイオンの選択的透過路を形成し、刺激に応じてゲートを開閉してイオン流を制御することである。チャネル蛋白質の結晶構造が明らかになった1998年以来、チャネル研究は大きく進展した。特に細菌由来のKcsAカリウムチャネルはあらゆるカリウムチャネルの原型として、その豊富な構造情報と蛋白質としての高い安定性から様々な物理化学的・分光学的研究が広く進められてきた。チャネルの生理機能である選択的イオン透過・ゲート開閉ともに動的な過程であり、その分子機構を明らかにするにはチャネル蛋白質の機能と構造変化を1分子レベルで捉える必要がある。イオン・水・チャネル間の相互作用、チャネルと膜脂質の作用など、その物理化学的基盤を解き明かしていくことを通してチャネルの分子機構を明らかにしたい。再構成膜での単一チャネル電流記録法や回析X線追跡法、原子間力顕微鏡などを使った実験と、チャネルのイオン透過・ゲーティング構造変化・膜リン脂質との相互作用・膜上集合離散などの成果を紹介したい。 |
その他 | |
お問合せ先 | 古谷祐詞、山本浩史(2013年度分子研コロキウム委員) |