分子科学研究所

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第861回分子研コロキウム

演 題 「創発イオントロニクス(Emergent Iontronics)」
日 時 2014年06月20日(金) 16:00
講演者 岩佐義宏 教授 (東京大学・大学院工学系研究科/理化学研究所・創発物性科学研究センター)
場 所

分子科学研究所 研究棟2階 201号室

概 要

リチウムイオン電池や電気二重層キャパシタなどの2次電池は、エネルギー貯蔵の根幹を担うデバイスで、イオンの動きを利用して電気(電子)を蓄積する。なかでも、電気二重層は、普通の並行平板コンデンサと同じ静電的な電荷蓄積機構にもかかわらず、通常のコンデンサよりも1~2ケタ大きな電荷密度が蓄積できるという特徴を持っている。最近、この原理を電子デバイスであるトランジスタのゲート絶縁膜として用いると、従来型固体ゲートのもつ電流スイッチングを超えた新たな機能が発現することが分かってきた。すなわち、電圧を印加するだけで、絶縁体を超伝導や強磁性に切り替えるなど、電子相転移を誘起できるのである。これは、従来型の全固体トランジスタではどうしても越えられない壁であったが、それが、電気化学との融合によって克服されたのである。その対象も、半導体だけではなく、炭素材料、酸化物、カルコゲナイド、貴金属などにも適用できることがわかってきた。
 19世紀半ばに発見された電気二重層という古典的な界面が、一転して強電界物性の舞台となり、イオンによって電子物性を制御する『イオントロニクス』として急速に進展している状況をわかりやすく解説する。

岩佐義宏 教授HP: http://iwasa.t.u-tokyo.ac.jp/iwasa.html

お問合せ先

山本浩史&正岡重行(2014年度コロキウム委員)