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演 題 | 「有機発光材料の新展開-高効率遅延蛍光材料の登場- Development of novel organic light emitting materials-high efficiency delayed fluorescence-」 |
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日 時 | 2014年09月26日(金) 16:00 |
講演者 | 安達千波矢 教授 (九州大学大学院工学府応用化学部門 教授 最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA) センター長) |
場 所 | 分子科学研究所 研究棟2階 201号室 |
概 要 |
有機ELにおいて、三重項励起状態を利用するリン光デバイスは、究極の発光効率に達した。これは、電流励起下において、スピン統計則に則り、一重項励起子と三重項励起子が1:3の割合で生成され、さらに一重項準位から三重項準位への項間交差(ISC)が100%の確率で生じるためである。このように、リン光デバイスは優れたEL性能を有することから、従来の蛍光性発光材料に代わり、有機ELの基幹発光材料となっている。
しかしながら、リン光デバイスは、優れた発光特性を有するものの、高電流密度領域において、発光効率が急激に減少するTriplet-Triplet Annihilation(TTA)やTriplet-Polaron Annihilation(TPA)などの各種励起子失活の発生や、化合物がIr/Pt/Osなどの貴金属を含有する有機金属化合物に限定されているなどの問題点があり、新材料の開発が期待されていた。 最近、私たちの研究グループでは、分子内ドナー・アクセプター構造を用いることで、HOMOとLUMOの軌道の分離を行ない、一重項と三重項のエネルギーギャップを0.1eV程度まで小さくすることで、逆系間交差確立を飛躍的に向上し、高効率な熱活性遅延蛍光(TADF)の実現に成功した。そして、これを用いたOLEDにおいて、究極の内部EL発光効率100%を実現した。 講演者詳細:安達千波矢 教授 九州大学大学院工学府応用化学部門 教授 最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA) センター長 http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~adachilab/lab/?page_id=237 |
お問合せ先 | 山本浩史&正岡重行(2014年度コロキウム委員) |