分子科学研究所

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第59回光分子科学フォーラム

演 題 「狭線幅光周波数コムを用いたデュアルコム分光計による広帯域分子分光」
日 時 2014年10月16日(木) 15:00 より 16:00 まで
講演者 岩國 加奈 (慶応義塾大学物理学科 博士課程3年)
場 所

分子科学研究所 研究棟2階 201セミナー室

概 要

2000 年頃に開発された光周波数コムは、現在、医療診断から天文観測にわたる広い分野で応用されています。光周波数コムはモード同期超短パルスレーザーで、レーザー共振器からパルス幅 100 fs 程度の光パルス列が出力されます。これをフーリエ変換すると、発振モードが繰り返し周波数ごとに等間隔に並んだスペクトルとなっています。この間隔が非常に正確であることから、光周波数コムは「周波数のものさし」として光周波数計測に使われてきました。近年では、光周波数コムをコヒーレントな広帯域光源とした分光実験へ応用する研究が盛んに行われています。そのひとつが 2 台の光周波数コムを用いたデュアルコム分光計です。この分光計は広帯域、高分解能、高速データ取得という特性を併せ持ち、従来の FTIR を凌駕すると期待されています。慶應大学と産総研のグループでは、繰り返し周波数を高速に制御できる光周波数コムを用いたデュアルコム分光計を開発し、周波数分解能 48 MHz で波長 1.0-1.7 μm にわたるスペクトルを 140 ms 程度の測定時間で観測しました。本講演では、光周波数コムの原理から最新のデュアルコム分光実験を紹介する予定です。

お問合せ先

 鹿野 豊・大森賢治