分子科学研究所

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第866回分子研コロキウム

演 題 「磁場・電場・電磁場による有機化合物の空間操作と捕捉:低温分子科学の新展開」
日 時 2015年02月20日(金) 17:30
講演者 百瀬孝昌 教授 (ブリティッシュコロンビア大学、カナダ)
場 所

分子科学研究所 研究棟2階 201号室

概 要

 レーザー光技術の発展で、原子分子集団の精密なコヒーレント操作が可能になりつつある。原子では数ナノケルビンまでの冷却が達成され、ボーズ凝縮やフェルミ縮退などの新しい物理が大きく発展した。一方、分子はまだその並進運動の制御には限界があり、分子のコヒーレント操作は超短パルスを用いた瞬間的な研究に限られている。分子を極低温まで冷却し、その並進運動を完全制御をすることは、真の分子コヒーレント操作をする上で、不可欠である。我々はこれまでに、分子の空間捕捉を目指した磁場・電場・電磁場による分子の減速、空間運動制御など、分子冷却技術の開発を進めてきた。その結果、最近ようやく分子を空間捕捉することが可能になってきた。ごく最近、特に化学的に興味のある、反応性の高いフリーラジカルの磁場を用いた冷却および磁場トラップへの捕捉に初めて成功した。フリーラジカルの空間捕捉は低温化学研究を進める上でも非常に重要な技術である。講演では、磁場・電場・電磁場による分子の空間運動制御の基礎原理および現在の分子冷却技術の現状をまとめ、これらが今後どのように分子科学の発展に寄与しうるか議論したい。

百瀬孝昌 教授:
https://www.chem.ubc.ca/takamasa-momose

お問合せ先

山本浩史&正岡重行(2014年度コロキウム委員)