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演 題 | 「迅速合成触媒が拓く生命機能分子・ナノ炭素分子のサイエンス」 |
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日 時 | 2016年01月15日(金) 16:00 |
講演者 | 伊丹健一郎 教授 (名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所) |
場 所 | 分子科学研究所 研究棟2階 201号室 |
概 要 |
分子をつなげて価値を生む合成化学は物質創製の要である。我々は有機分子に遍在する炭素水素結合(C-H結合)を活性化し、様々な分子を自在に連結する触媒を多数開発してきた。我々のC-H活性化触媒は、医農薬分子や生物活性天然物の実践的合成や新しい生命機能分子の開発に応用することができ、既に世界中の化学・製薬企業の開発研究や製造工程で利用されている。最近では植物や動物の特徴的な生命現象の解析を化学合成研究と連動させた異分野融合の世界トップレベル研究拠点ITbMを立ち上げ、植物成長を制御する分子や動植物の生物時計を制御する分子などを発見した。我々のC-H活性化触媒は材料科学にも貢献を果たしている。例えば、夢の分子として長年化学者の挑戦を退けてきた最短カーボンナノチューブ分子の合成を達成した。また、これを鋳型として直径が揃ったカーボンナノチューブを合成した。さらにC-H活性化触媒を駆使して、高度に湾曲した3次元ナノグラフェンを世界で初めて創製することに成功した。これらの研究から「分子ナノカーボン科学」という新潮流が生み出された。本講演では、最近の研究の進展と新しい異分野融合研究を可能にするユニークな取り組みについて紹介したい。 |
お問合せ先 | 正岡重行&飯野亮太(2015年度コロキウム委員) |