分子科学研究所

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第911回分子研コロキウム

演 題 「半導体量子ドットとその光素子への展開」
日 時 2017年11月24日(金) 17:00
講演者 荒川泰彦 教授 (東京大学生産技術研究所)
場 所

分子科学研究所 研究棟201号室

概 要

1982年に提案された半導体量子ドットは、自己形成法などナノ技術の進化により、未来のエレクトロニクスやフォトニクスを支える基本ナノ構造の一つとして期待されるまでに発展した。特に、量子ドットレーザーは、㈱QDレーザにより通信市場に年間100万台以上が出荷されており、電子のエネルギーの完全離散性を利用した初めての半導体量子力学素子と位置付けることができる。さらに、量子ドットレーザーは、温度安定性・高温動作という既存の半導体レーザーには無い特徴を有しているため、シリコンフォトニクス(光電子融合)の光源として、コンピューティング技術への展開が期待されている。
一方、量子ドットは、電子、光子、スピン、フォノンの制御に適した半導体ナノ構造であるため、半導体物理の新現象の発現の宝庫であり、量子情報技術にも応用されようとしている。また、量子ドットとフォトニックナノ共振器の精緻な結合系は、固体系の共振器量子電磁力学の舞台を提供することにより、固体量子光学の発展に貢献している。本講演では、量子ドット研究の歴史的発展を述べるとともに、量子ドットによってもたらされる物性科学や新たな光・量子素子について、その現状と展望を論じる。

詳しい内容はこちらをご覧下さい。

お問合せ先

柳井 毅、 藤 貴夫(2017年度コロキウム委員)