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演 題 | 「光化学系IIの酸素発生錯合体を構成するMn原子の価数-酸化還元電位に基づいた水分解・酸素発生機構への洞察-」 |
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日 時 | 2020年12月11日(金) 15:00 より 16:00 まで |
講演者 | 神谷信夫 名誉教授(大阪市立大学) |
場 所 | Zoomによる講演を行います。 |
概 要 | 光合成で水から酸素を発生させる反応は、光化学系II(PSII)の酸素発生錯合体(OEC)で起こる。OECはMn4CaO5(H2O)4の化学組成を持ち、太陽光のエネルギーを利用してその酸化状態(KokサイクルのS状態)を変化させる。S状態がS0からS4までの酸化過程では、4個のMn原子の価数と酸化還元電位(酸化力)が上昇する。また、S4からS0までの還元過程では、蓄積した酸化力を一気に開放して、2個の水分子から1個の酸素分子を生成する。すなわちPSIIの水分解・酸素発生の反応機構は、OECの酸化還元電位に基づいて説明されるべきものである。我々は今回、金属原子の価数に敏感なX線異常分散効果に着目して、OECにおけるMn原子の価数分布を決定した。その結果からKokサイクルにおける酸化還元電位の変化を推定し、OECと水の酸化還元反応の全体に対する洞察を得た。
*「秘密保持の同意」にご承諾いただき、所内外問わず登録された方のみに ZoomのIDとPWを配布いたします。 |