分子科学研究所

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第957回分子研コロキウム

演 題 「金属-有機構造体(MOF)の融解とガラス化、およびその機能」
“Melting and vitrification of metal-organic frameworks and their functionality”
日 時 2022年07月12日(火) 16:00 より 17:30 まで
講演者 堀毛 悟史 准教授(京都大学)
場 所

分子科学研究所 研究棟201

概 要

身の回りで用いられるガラスは、セラミックス、有機高分子、金属など様々な種類が存在する。金属と架橋性配位子から組み上がる配位高分子あるいは金属-有機構造体(Metal-organic framework, MOF)は比較的新しい材料であるが、これまで結晶相が主だった研究対象として扱われてきた。近年、その一部が結晶融解し、ガラス化することが見出されてきた。融点は100~600℃と幅広く、その融液を冷却して得られるMOFガラスは配位結合でつながったネットワークガラスである。
 

ガラスは一般的に幅広い組成を取ることができ、成形加工性に優れ、その結果多彩な特性や機能:光学特性/伝導性/多孔性/保護特性などを示す。MOFガラスにおいても、結晶相では難しい様々な機能を見出すことが出来る。例えば我々はガラスの内部自由度や運動性を上げることで、無加湿プロトン伝導性を設計してきた。その一部は実用に資する性能を示し、燃料電池の電解質として働く。またガラスの透明性を利用して、プロトン伝導性を光によりスイッチングする試みや、電子伝導性を持つガラスも最近見出している。金属と分子が形作るMOFガラスのミクロ~マクロスケールの設計と構造、そして機能について紹介する。

 

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お問合せ先

南谷 英美、倉持 光 (2022年度コロキウム委員)