研究・研究者
研究会・セミナー
演 題 | 時間分解走査プローブ顕微鏡法とナノ科学 Time-resolved scanning probe microscopy and nanoscience |
---|---|
日 時 | 2023年11月10日(金) 16:00 |
講演者 | 重川 秀実 教授(筑波大学 数理物質系) |
場 所 | 分子科学研究所 研究棟201室 |
概 要 | 様々な先端技術を用いて材料の物性や素子の特性を制御し、新たな機能の創成を目指す試みが進められています。それぞれの素過程を深く理解し最大限に活用するには、例えば、光誘起現象の超高速ダイナミクスの詳細を高い時間・空間分解能で明らかにすることが必要になります。超短パルスレーザー光を用いた手法では、フェムト秒、アト(サブフェムト)秒領域のパルス幅を利用する時間分解能測定が可能になりました。しかし、空間分解能には制限があります。一方、走査プローブ顕微鏡(SPM)は、鋭い探針と試料の間に流れるトンネル電流や探針-試料間に働く力を測定することで原子レベルの空間分解能で様々な情報を得ますが、時間分解能は回路などの制限を受けます。我々は、量子光学とSPMの両先端技術を組合せることにより、原子レベルの空間分解能で局所構造や電子状態を観察しながら、パルス光幅の時間分解能でスピンまで含めた分光を行うことが可能な計測・制御技術の開発を進めてきました。現在、10フェムト秒程度の時間分解能を実現しています。最近では、関連する多くの顕微鏡技術が生まれ対象も広がっています。本講演では、これら計測法と応用について紹介させて頂きます。 |
お問合せ先 | 倉持 光、瀬川 泰知(2023年度コロキウム委員) |