分子科学研究所

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第979回分子研コロキウム

演 題 量子の時代における材料化学者の挑戦
Challenges of a materials chemist in the quantum era
日 時 2024年04月01日(月) 16:00
講演者 楊井 伸浩 准教授
(九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門)
場 所

研究棟201室

概 要

 第二次量子革命が巻き起こり、量子コンピュータや量子通信といった量子技術への注目が高まっている。これからの量子の時代に、化学者は何をすべきだろうか?
 この問いに対する自分たちなりの答えを、我々は量子と生命の接点に見出そうとしている。量子技術はクリーンでドライな環境で機能するものが多く、夾雑でウエットな生命現象に適用することが容易ではない。化学の力でこのギャップを埋める、つまり「量子と生命を化学で繋ぐ」ことが可能ではないかと考えている。これは化学が活躍する場を広げる試みと捉えることもでき、この量子と生命の境界において活躍する化学を「量子生命化学」と呼びたい。
 我々は材料化学者としてNMR・MRIの高感度化に繋がる超核偏極材料や量子センシングのためのスピン偏極材料の開発を行っている。光励起三重項を用いて室温で高度な超核偏極を達成するためにこれまでは配向制御という物理的なアプローチが主に取られてきたが、そこで問題となる無配向試料での高感度化を我々は化学的なアプローチである「偏極源の分子設計」により解決を図っている。また、分子性量子ビットと多孔性金属錯体(MOF)の融合による量子センシングの試みも行っており、これらの最近の進捗を紹介したい。

お問合せ先

横山利彦(物質分子科学研究領域)
瀬川 泰知、杉本敏樹(2024年度コロキウム委員)