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演 題 | 生体分子機械内のエネルギーと情報の流れを可視化する |
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日 時 | 2024年10月04日(金) 16:00 |
講演者 | 鳥谷部祥一 教授(東北大学工学研究科 応用物理学専攻) |
場 所 | 研究棟201室 |
概 要 | 生体分子機械は、長い進化の過程を通して生命が実現した究極のナノマシンである。実験や理論の絶え間ない努力により、その生化学的機序や力学的機構は大方明らかになってきている。また、生体分子機械を模倣した人工分子機械を実現しようとする挑戦が始まっている。しかし、生体分子機械の高い運動性、頑健性、柔軟性、効率性等を説明し、さらに、それらを人工的に実装するためには、生体分子機械がどのように駆動力を利用し、どのように自由エネルギーを変換しているのかといった、エネルギー論に立脚した議論が不可欠である。我々は、1分子観察実験を非平衡物理や情報熱力学の知見と組み合わせることで、回転する生体分子機械であるF1-ATPaseの分子内のエネルギー流を可視化することを試みている。特に、熱揺らぎの激しいミクロな世界の中で動く分子機械を理解するためには、エネルギーの流れだけでなく「情報の流れ」を考えることが重要だと分かってきた。本講演では、生体分子機械のエネルギー論をどのように理解できるのか、我々のF1-ATPaseに関する実験を例に紹介したい。分野外の人を対象に、基本的なところから説明する。 |
お問合せ先 | 飯野亮太(生命・錯体分子科学研究領域) 瀬川泰知、杉本敏樹(2024年度コロキウム委員) |