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演 題 | 「力や光で単一分子の化学反応を操る」 |
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日 時 | 2025年07月25日(金) 16:00 |
講演者 | 塩足亮隼 グループリーダー(マックスプランク協会フリッツハーバー研究所) |
場 所 | 研究棟201室 |
概 要 | 分子のもつ極小性、多種性、反応性を活用することで、個々の分子をナノデバイスとして機能させるナノエレクトロニクスや分子マシンの研究が近年盛んになっている。分子の特性を理解し、より複雑な機能を発現するためには、単一分子レベルで化学反応を制御し、その反応機構を解明することが不可欠である。探針を固体表面に近づけて走査することで表面の原子やそこに吸着した分子を可視化する走査プローブ顕微鏡(SPM)を用いることで、狙った一つの分子に探針から刺激を与えて運動や化学反応を誘起することが可能であり、ナノデバイス研究に貢献してきた。反応を起こすための刺激として、探針から分子への電子注入がこれまで多用されてきたが、重要な外部刺激である機械的刺激(力)や光による単分子反応の選択的な制御は未だ挑戦的である。本講演では、力あるいは光による極小スケールの化学反応をSPMによって実現するための方策と、我々が観測・制御した化学反応の実例について紹介する。それぞれの刺激について、1ナノメートルを下回る空間での反応制御が実証され、これまでのナノエレクトロニクスを超越したピコエレクトロニクスへの道が拓かれつつある。 |
その他 | 塩足亮隼グループリーダーは、「第14回 自然科学研究機構 若手研究者賞」を受賞し、2025 年 7 月 18 日に受賞記念講演(題目:「ピコの光で分子を照らす 〜狙った1 つの分子に光を当てる顕微鏡技術〜」)を行う予定です。 |
お問合せ先 |
熊谷崇(メゾスコピック計測研究センター) |