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演 題 | 生物分子モーターの運動を駆動できる2つの独立したメカニズム |
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日 時 | 2025年10月31日(金) 15:00 より 16:00 まで |
講演者 | 中山慎太郎(国立研究開発法人情報通信研究機構、大阪大学) |
場 所 | 山手キャンパス 3号館2階大会議室 |
概 要 | ミオシンやキネシン、ダイニンのようなリニア型の生物分子モーターは、極性のあるフィラメントの上を一方向に運動する機能を持つ。この一方向性運動の創出機構として、(ⅰ)生物分子モーターの一部を大きく構造変化させることでフィラメントと結合する位置に偏りを作りだすパワーストローク機構と、(ⅱ)それらがフィラメントから外れるときに異方性を作り出すラチェット機構が提案されている。これまでに両方のモデルを支持する実験的な証拠が示されているにもかかわらず、依然として統一的な見解が得られていないのが現状である。というのも、従来のような天然の生物分子モーターを解析する手法では、何が必要な要素で何が副次的なものかを切り分けることが非常に困難であったからである。そこで我々は、構成的な手法を採り2つの機構が独立に内在しているという仮説を実験的に検証することにした。具体的には天然の材料から、パワーストロークとラチェットが互いに反対方向の運動を作り出すことで両者が競合するように設計した改変モーターを作成し、これらの運動を顕微鏡下で観察した。本研究を通して、生物分子モーターが2つの運動機構によって運動しうることを初めて実験的に示した。
詳細はPDFファイルよりご確認いただけます。 |
その他 | セミナーは日本語で行う予定です。 |
お問合せ先 | 飯野亮太 (iino@ims.ac.jp) |