分子科学研究所

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分子研飯野G 公開セミナー

演 題 RNA合成生物学を活用した遺伝子発現制御と細胞のプログラミング
日 時 2026年01月23日(金) 15:00 より 16:00 まで
講演者 齊藤博英 博士(東京大学定量生命科学研究所教授、京都大学iPS細胞研究所教授)
場 所

山手キャンパス3号館2階西大会議室

概 要

我々は、標的細胞の純化や特異的な発現制御を実現できるmRNAスイッチの研究を進めている。これまでに、細胞を特徴づけるマイクロRNA(miRNA) に応答して翻訳をOFFにするスイッチ (miRNA応答OFFスイッチ) を作成した。しかしこのOFFスイッチのみでは、細胞の種類によっては純化効率に課題があった。最近、miRNAに応答して翻訳を活性化するスイッチ (miRNA応答ONスイッチ) を新たに開発した。ONスイッチ開発のために、mRNAのポリA鎖の下流に人工配列を挿入するという、独自のRNAデザイン手法を見出した。ONスイッチとOFFスイッチを組み合わせることで、細胞集団にmRNAスイッチを導入するという簡便な手法により、セルソーター等の機器を使わずに、標的の細胞を高効率で純化し、不要な細胞を死滅させることに成功した。本講演ではこれらRNAスイッチ技術に加え、AIを活用して機能性RNAを生成する研究や、研究室初の技術を活用し立ち上げたスタートアップについても時間が許せば紹介したい。

 

関連文献:
Itsuki Abe et al., Nature Communications, 16, 5362 (2025)
Kaito Masaki et al., Molecular Therapy Nucleic Acids, 36, 102609 (2025)
Yoshihiko Fujita et al., Science Advances, 8, eabj1793 (2022) 
Kenji Miki et al., Cell Stem Cell, 16, 699-711 (2015)

 

詳細はPDFファイルをご確認ください。