2023 年8 月6 日から11 日にかけ て米国ロードアイランド州のSalve Regina 大学で開催された国際学会 「Gordon Research Conference, Quantum Control of Light and Matter」に参加しポスター発表をさ せていただきました。私の所属する研 究室の大森賢治教授が本学会の議長を 務める事もあり大森グループからは計 7 名が参加しました。現在私は、冷却 中性原子を用いた量子コンピューター の実現に向けた研究の一環として、ル ビジウム87 原子の基底状態の超微細 構造準位を識別する蛍光イメージング に取り組んでいます。特に、測定中の 原子の状態変化やロスを抑制する為に は、測定に用いるレーザー光の偏光・ 離調や強度を正確に調整し、光子を吸 収・放出する際の反跳加熱効果も抑制 する必要があります。また、我々は将 来的な量子コンピューターの製作に向 けた安定的に動作する光源として、光 ファイバーと小型光学系を用いた仏 Muquans 社製のレーザーシステムを 導入しました。本学会では、性能評価 の一貫としてこのレーザーシステムを 用いて状態選択的な蛍光イメージング を行い、測定中の原子の状態変化やロ スを抑制した結果について報告しまし た。現地では、米国に限らず世界各国 から量子技術に関連する研究者・学生 が一堂に会し、ポスターセッションや 講義後の質問を通じて 活発な議論が出 来ました。特に対面で参加することに よって、ライバルとなる世界の同世代 の博士課程学生と交流し、海外の各研 究グループの現在の方向性や進捗状況 について情報を得られるなど非常に有 意義な時間でした。初めての国際学会 ではありましたが、海外からのインター ン学生が多く訪れる大森グループの環 境もあり、苦手意識を持つ事なく英語 での発表が出来た事は自らの自信とな りました。様々な刺激を受けて研究へ のモチベーションも高まり、さらなる 研究成果を目指して今後も日々精進し ていきたいと思います。最後に、今回 の研究の遂行と国際学会の参加にあた り、 御指導いただきました大森先生を はじめ 、御支援・御尽力いただきまし た「Moonshot 目標6」及び分子研・ 大森グループの関係者の皆様にこの場 を借りて心より感謝を申し上げます。